直島に行ったら絶対に鑑賞すべき、というか入浴すべきアート。
それが、直島銭湯「I♥湯」。
大竹伸朗の最高ケッサクともいうべき直島銭湯「I♥湯」は、本来は入浴のためのアート施設ですが、入浴せずに見学だけできる企画を定期的にやってるんですって。
その際は、いつもだったら入れない、異性側の脱衣場・浴室にも侵入できるとのこと。そして、写真撮影オッケー(銭湯として営業してるときは撮影NG)。
意気揚々と行ってまいりました。
~これまでの道程~
★1日目★
【1】ヒトシナヤ〜くつわ堂総本店
【2】うどん棒本店〜高松市立中央公園
【3】イサム・ノグチ庭園美術館
【4】こんぴらや〜遊〜鶴丸
★2日目★
【1】味庄〜めりけんや
【2】新造船あさひ~直島ホール~直島港ターミナル
【3】家プロジェクト~maimai~地中美術館
【4】ベネッセハウス(ミュージアム)
★3日目★
【1】ベネッセハウス(土砂崩れ)
女湯
番台の女将さんに「女湯から見てね」と通されました。
レディーファーストってやつです。
女湯のタイル画。海女さんが蛸に近づいていってます。
最終的には、葛飾北斎の『蛸と海女』のようになっちゃうのでしょう。
洗い場の鏡は、六角形。お洒落なヘキサゴン。ボディソープとシャンプーは完備。
ちょっと遠めから眺めた洗い場。手前は、浴槽内に埋め込まれたスクラップなアート。そこかしこにステキングな意匠が施されているので、飽きることなく、いつまでも浸かっていられる銭湯となっております。
風呂椅子は透明。AV撮影用のスケベ椅子っぽくて、ほんのりエチー。
カランのボタンは、場所ごとにデザインが違うので、全カランを制覇したくなりますね。
トイレの鏡。すべてにおいて、抜け目ないこだわりにあふれています。
脱衣場にて、ドライヤーに挟まれた「恋」。情熱的な恋心なんてすぐに干しシイタケになっちゃうんだよっていう大人なメッセージなんだとか。
脱衣場の天井。蛍光灯が、スペースオペラなデザインでかっこええじゃないか。
男湯
番台を通って、反対側の男湯へ移動。
脱衣場からのぞく風呂場。男湯のタイル画は、ウニっぽいクリーチャーをまさにゲットせんとする海女ちゃんの図。
男湯と女湯の境界線を見張っているのは、ゾウの像。
北海道のつぶれた秘宝館から引き取ってきたゾウで、名前はハナコだそう。
直島銭湯の制作秘話は、大竹伸朗の著書『ビ』にくわしく書かれています。読んでから行けば、理解がビンビンに深まっちゃうよ。
天井はこんな感じで爆発しきってます。逆光になっていて分かりづらいですが、左下の闇の存在がゾウさん。
男湯のカランのボタン。押さずに撫でまわしたくなる。
ロッカーはちょっと小さめです。荷物が多い人は、カゴもあるのでなんとかしろってことよ。
銭湯としての直島銭湯
以前、入浴したときに、ここは奇をてらってるだけの銭湯ではなくて、とっても実用性に則している銭湯なんだと、強く感動しました。
今回は見学企画のため入浴できませんでしたが、直島銭湯は入浴してこそ、その真髄が味わえるアートです。百見は一浴にしかず。
お風呂の内側のふちが斜めにしてあるので、浸かったときに頭を預けると、ジャストフィットして、ちゃんときもちいい。
直島銭湯は、その見てくれの派手さだけに意識が奪われがちですが、銭湯としての使い心地も追求されているので、クオリティがハイパーなんです。身も心もハダカになって実体験しちゃうのがいちばんなアートですよ。
ちなみに、直島銭湯はもちろん西日本エリアなので、洗い場の真ん中にデデーンとお風呂があります。東日本の銭湯なら、お風呂は壁際にズズイーッと寄ってる。わたしは東京民なので、センター方式の銭湯は新鮮で、うれしくなっちゃいます。
なお、わたしに123億円あったら、バスキアを買わないで大竹伸朗に温泉旅館を作らせますね。なので、ZOZO前澤社長は、いずれロッテを買収すべき。
おもてにいる、ペンギンと金魚。