ネットフリックスで『ザ・ダート:モトリー・クルー自伝』を観ました。LAメタルの雄であるモトリー・クルー、彼らの伝記映画です。このためだけにネットフリックスに入りました。無料期間が終わったら解約します。
映画の内容を簡単に説明すると、セックス!ドラッグ!ロックンロール!であり、それ以上でも以下でもないんですが、埼玉でファイナルツアーも見たひとりのファンとして感想を書き記しておきます。
クイーンの『ボヘミアン・ラプソディ』が全人類に愛されたメイド・イン・ヘブンな映画であるならば、『ザ・ダート』はヴァギナとコックが群舞する地獄の六六六丁目なので、『ボボチンチン・ラプソディ』と形容するしかないゲテモノです。
モトリーのファン以外が観たら白目をむくだろうし、モトリーのファンが観ても得られるものはオッパイだけという、モトリーの軽佻浮薄っぷりをパーペキに具現した映画のため、ついこの前観たばかりなのに内容が断片的にしかアタマに残ってない。
まだらボケによみがえる記憶といえば、クンニリングスからの潮吹きプッシー、オジー・オズボーンの尿舐め蟻吸い、ヴィンス・ニールのファック・ファック・ファック。
『ボヘミアン・ラプソディ』では作曲や収録のシーンがあったので制作の裏側が垣間見られましたが、『ボボチンチン』ではパーティーやってドラッグやってセックスしてたらいつの間にか曲やアルバムが出来あがっていて全米1位までのぼりつめちゃうという、なろう系小説みたいな怒濤の俺TUEEEE展開。ロックの人生ヌルゲー。いまの若者たちも一攫千金ねらうならスタートアップじゃなくてロックすればいいと思います。
映画では愉しいことだけでなく、暗い面もしっかり描かれていました。ハノイ・ロックスのラズルをヴィンスが死なせた件です。これは忘れちゃいけない出来事ですね。あと、ヴィンスが愛娘を失ったエピソードも出てきました。痛ましい出来事です。そうそう、ヴィンスがモトリーをクビになるシーンもありました。とんでもない一大事です。お気づきですか? モトリーのネガティブ担当だいたいヴィンス。
なお、ヴィンスはモトリーを脱けてソロになったとき、マイケル・モンロー(元ハノイ・ロックス)のバンドからギタリストを引き抜くという鬼畜の所業を仕出かしてます。ヴィンスのマイケルに対する不義理がハンパなさすぎなので、これも忘れちゃいけない出来事なんですが、映画ではソロのエピソードはカットされてました。
ヴィンスのソロアルバム『Exposed』はモトリー以上にモトリーっぽい作品となっており、全ヴィンスファンが咽び泣いた傑作でして、武道館でやったライブもすごくよかったです。 不満は、バンドメンバーが全員イケメンすぎて、ミック・マーズ成分がないのが物足りなかったぐらい。
あと、忘れちゃいけないといえばジョン・コラビ。映画では、やたらスラっとスマートな体型でマーティ・フリードマンみたいな感じの役者がコラビを演じていましたが、実物は毒蛾みたいな野趣あふれる風貌です。ここだけ完全に役者が合ってないように思いました。
ちなみに、バンド公認で黒歴史とされているコラビ参加のセルフタイトル『Mötley Crüe』ですが、モダン・ヘヴィネス全開で私はすごく好きなアルバムです。
「Poison Apples」とか「Smoke The Sky」とかめっちゃ格好いいじゃんね。「Hooligan's Holiday」のPVも好き。
あと、ヴィンスが復帰したアルバム『Generation Swine』もたまらなく好き。
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「Beauty」とか、シシュポスの神話かよってぐらい永遠に繰り返し聴いたぐらい好き。というかモトリー全部好き。
ところで、他人の尿を舐めてストローで鼻から蟻を吸ったオジーお爺さんですが、このあとホテルに戻って、部屋の中で脱糞してウンコを壁になすりつけるという、肛門期さんも真っ青の『糞塗られた英雄伝説』をやってのけてます。
このウォール・オブ・シットまでがオジー鉄板エピソードなので、ここも映像化すればよかったのにと悔しいばかり。このへんの話は映画『オジー降臨』でトミー・リーが語ってくれてますよ。
『ダート』では、そのトミー・リーをちゃんとおバカキャラとして描いててよかったですね。モトリーのメンバーって、ニッキー・シックスはヘロイン中毒だし、ヴィンス・ニールはお稲荷さんみたいに太ってるし、トミー・リーはハメ撮り流出DVクソ野郎だし、ほんとミック・ご隠居・マーズさんはモトリーの良心よ。
いいまとめが考えつきませんが、人死なせてヘロインやってセックスビデオ流出しちゃう人たちが大手を振って生きられるアメリカの寛容さってロックだなって思いました。
※映画の内容が事実に即してるか否かは下記の記事が勉強になります。