東京オペラシティのアートギャラリーで『白髪一雄』の展覧会を鑑賞。
結論から言えば、とっても素晴らしい展覧会でした。
白髪一雄は、床に置いたキャンバスに足で描く「フット・ペインティング」の創始者だそうです。東京での大規模個展は初めてなんだとか。
正直、画像で見る限りは足でグチャグチャ描いただけっぽいし、そもそもジャクソン・ポロックみたいな抽象画が苦手なので、スルーするつもりでした。ただ、良い評判が聞こえてきたので、かる~い物見遊山で行ってみたら、圧倒されて一気にシラガのトリコ。
絶対、ナマで見るべきアートです。
引きで見ると、いかにも抽象画っていうか、そりゃ抽象画なのは事実なんですが。
寄りで見ると、もはや絵画ではなく立体造形です。絵の具がモノとしての存在を主張し、実体そのものとして迫ってきます。
白髪一雄の作品を見て、真っ先に思い出したのは、“メタルの帝王”オジー・オズボーンのエピソードでした。オジーはツアー先でハイテンションになりすぎて、ホテルの壁にウンチを塗りたくったといいます。そのときのホテルの壁もこういう感じだったのだろうと、オジーの奇態が真に迫って実感できました。というクソでしかない感想がいきなり出てきてすいません。
引きで見て、寄りで見て、また引いて、の往還運動を繰り返すと楽しいです。
パワーとパトスとパッションのエネルギーが充満した、とっても元気になれる展覧会でした。ハイパーウルトラミラクルおすすめです。
あと、オペラシティのアートギャラリーはやっぱ最強。なんてったって天井が高い。垂直方向の空間が広いと、ゆったり落ち着いてアートを堪能できます。天井が高いのは正義ですね。
若手作家を紹介するコーナーでは、今井麗の作品が展示されていました。
白髪一雄のパワー!リビドー!エネルギー!な作品とは対照的に、ミニマルな静物画が並んでいました。日常的だけど、ちょっぴり奇妙な味わいのある、やさしい絵画です。白髪一雄のお口直しに最適。
ダダとジャガイモとステンレス。
とってもほのぼの良かったです。
鑑賞後は、神田の「いせ源」に移動して早めの夕食。
冬なのであんこう鍋を食べようじゃねえかってことです。
東京都の歴史的建造物にも指定されている、おもむきだらけの店構え。
店頭では、あんこうさんがお出迎え。死してなお絶賛氷責め中。
このお店、冬の予約は6名以上じゃなきゃダメというルールがあるのです。今回は人数不足で予約できないし、かといって並ぶのも避けたいので、16時前に乗り込んだら当然ガラガラですんなり入れました。あんこう鍋のコースを注文。
あんこうの肝さし。お口の中がレバーで満員です。
フォアグラよりあん肝のほうが旨いだろ!と山岡士郎がスノッブな食通たちに大見得を切る『美味しんぼ』第2話を思い出しながら味わいました。
食後は向かいの甘味処「竹むら」へ。
あんこうのおじやですっかりお腹いっぱいだったんですが、スイーツは別腹のスペシャル技が発動。
あわぜんざいを注文。シソの実が満腹中枢を癒してくれました。
早い時間に夕食を済ますと夜の時間がたっぷりあって良いですね。