恥とマスは掻き捨てナマステ

ヨーグルトが好きです。アートと映画と音楽と野球は、もっと好きなようです。

蛾よ幽霊よと漂って

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KAAT神奈川芸術劇場「冨安由真展|漂泊する幻影」へ行きました。

 

 

劇場空間を使ったインスタレーションということで、トレーラーを見る感じだと、とっても廃墟で退廃的。

すっかり気になったので見に行きました。

 

会場に入ると、まずは廊下なんです。

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思わず「えっ?」って声が出ました。

 

ここからすでに作品が始まっているのです。

いきなり廊下から始まる展覧会なんて、おもしろいですよね。

第四惑星の悪夢な空間に放り込まれて、一気に引き込まれました。

廊下の奥は鏡になっています。

なので本当は私が映っているんですが、加工して消してます。

廊下を歩いて、左奥の扉を開けます。

 

お先が真っ暗でびっくりしました。

でも周囲に何かがあるのは、なんとなく分かります。

直島にあるジェームズ・タレルの南寺ほどの暗さではない。

目が闇に慣れるまで入口に佇んでいると、場内の風景がやっとつかめてきます。

 

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大きなスクリーンがあって、廃墟の映像が映し出されています。

 

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スポットライトが順番に点灯して、次々と照らされるオブジェたち。

 

f:id:mondobizarro:20210502204912j:plainスポットライトが照らす場所へ、操られているようにみんな集合。

 

みんな作品の一部に溶け込んでいきます。

誘蛾灯に集まる虫のように。

みんな無言で会場内をしずしずと動き回ります。

廃墟に囚われた幽霊のように。

 

とてもおもしろい展覧会でした。

これからも広がっていく可能性を感じました。

2週間ちょっとしかやってなかったのが惜しい。 

また、やってほしいです。

 

このあと「大山エンリコイサム 夜光雲」にも行きたかったのですが、お金が足りなくてあきらめました。

キャッシュレスに慣れすぎて、財布を忘れがちな令和です。

 

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冨安由真展|漂泊する幻影
KAAT神奈川芸術劇場 中スタジオ
2021年1月14日~31日
11:00〜18:00
神奈川県横浜市中区山下町281