東京オペラシティアートギャラリーで「ライアン・ガンダーが選ぶ収蔵品展」を鑑賞しました。
コロナ禍で来日できないライアン・ガンダーが、オペラシティの収蔵品をイギリスからリモートでキュレーションした、まさに今そのときの展覧会です。
ここにライアン・ガンダーの作品はなく、ライアン・ガンダーの意思を感じ取るだけ。
参加型の愉快な仕掛けも施されていて、芸術の楽しみ方を拡張するアート鑑賞が体験できました。
この美術館、ふつうは受付のすぐ先にある展示スペースから始まるけど、今回は上のフロアから開始。
白と黒の作品のみで埋め尽くされた「色を想像する」。
全体的にはこんな感じ。説明書きがなく、作品あるのみ。
反対側の壁はこうなってます。作品の対応する位置にキャプション。
次の部屋も、ずらっと作品のみ。
もちろん私が大好き、白髪一雄もありました。
一旦、 ライアン・ガンダーから離れて松田麗香の展覧会へ。
白黒の作品ばかりに接した直後に、色彩グラデーション豊かな作品を味わえる流れが素晴らしいです。
もともと狙ってエントリーさせたわけじゃないと思いますが、バチコーン嵌まったおもしろさ。
下のフロアに戻ります。
ペンライトを持ちましょう。
照明が落とされて、薄暗い場内。
暗くて作品もなんのこっちゃですが。
ペンライトを灯せば、刺青の絢爛さとゴールドの豪華さに目を奪われます。
各部屋の床には、テーマが貼ってありました。
絵の一部だけを照らして楽しむなんてこともできちゃう。
これ部屋に入ったとき、めっちゃドキッとした。
李禹煥の作品をこんな風に鑑賞できるのおもしろすぎる。
立体の造形作品は陰影がくっきり出てくるので、絵画とは別の楽しみ方ができます。
出口。
平日の夕方に行きましたが、先客が途中でいなくなり、贅沢なアローン鑑賞。
薄暗い場内で、ときどき警備員とすれ違ったり、監視係の人がじっと佇んでるのも、おもしろアート体験でした。
アートは、見せ方によって印象や趣きが全然変わるのを実感。まさにキュレーションの魔術ですね。
ダンジョンで宝探しをしているような、ドキドキ感とワクワク感が味わえました。
ふつうじゃない今だからこそ実現した、ふつうじゃない展覧会。
すっっっっごく良かったです。
「ストーリーはいつも不完全……」「色を想像する」ライアン・ガンダーが選ぶ収蔵品展
東京オペラシティ アートギャラリー
2021年4月17日~6月24日
11:00〜19:00
東京都新宿区西新宿3-20-2