恥とマスは掻き捨てナマステ

ヨーグルトが好きです。アートと映画と音楽と野球は、もっと好きなようです。

行ってはいけないイマーシブミュージアム / Immersive Museum

日本橋コレド室町の中にある日本橋三井ホールイマーシブミュージアム / Immersive Museum を鑑賞。

結論から申し上げますが、これに行ってはいけません。2500 円も出す価値はありません。私が犠牲の人柱になったので、皆さんはどうぞ行かないであげてください。

 

このイベントの売り文句が、体感する絵画!絵画の中の世界へ入り込む!没入型ミュージアムとあったので、チームラボみたいな楽しいやつだと期待してたら、似て非なるどころか、クソみたいにクソでしかなくクソとしか言いようのない電通クソイベントでした。

学術的な価値もなく、日本人の大好きな印象派を出せば集客できて儲かりまんがなという、浅薄な根性でやったとしか思えない駄イベントです。行ってはいけません。

 

どうせ行くなら、プラス 700 円出して豊洲かお台場でやってるチームラボのやつに行ったほうが絶対いい。絶対楽しめます。あっちは体験型アートのエンタメ施設として完璧に成立してます。チームラボがすごいことを認識できました。


イマーシブなんちゃらのクソイベントの感想と、こんなのと比べものにならないぐらい良かった、去年の大映像で迫る五大絵師 北斎・広重・宗達光琳若冲の世界の感想は下記から。

このイベントは体育館ぐらいのホール内ですべてが完結します。チームラボみたいに色んな空間を歩き回って楽しむことはできません。

座っていい場所が雑然と並んでいるので適当に腰掛けて鑑賞。人間がダメになるソファみたいなのもあるんですが、大体カップルが占拠してます。

中途半端なビデオドラッグまがいの映像が流れていきますが、なんかいろいろ杜撰。行ったことないので知りませんが、統一教会のセレモニーってこんな感じだと思います。

 

なによりクソなのが映像の画質が死ぬほど悪いこと。没入できるどころか、どんどん熱が冷めていき解脱します。クソ解像度のルノワールが映写されるし、いっぱい写真は撮ったけど紹介するまでもないし、わざわざ行ってまで確認する必要はありません。行ってはいけない。

 

話は変わって、去年 2021 年の夏に大手町三井ホールでやってた大映像で迫る五大絵師は、本当に美しくて良かったです。

 

こっちは、日本美術史の傑作群を最新のデジタル技術で大きく見せちゃおうっていう、崇高なアートイベント。もちろん作品の実物は展示されてません。映像と画像だけ。

 

大きくて美麗ってだけでも迫力すごいし、細部まで観察できます。ホンモノ見るよりこの形式で鑑賞したほうがいいかもって思いました。風神雷神図屏風は、髪の一本一本までがしっかり認識できる高解像度。

 

「源⽒物語図屏⾵」は、本物だったら小さく描かれてる着物が、柄まですっかり認知できる高精細度。

 

平家物語図屏⾵」の武士にいたっては、塗りの厚みまでがっちり感じられる高精密度。

 

百万回は見てきた葛飾北斎の有名なイメージですら、新鮮な気持ちで鑑賞できました。

 

伊藤若冲の精密画でも、巨大映像の真価が存分に発揮されてました。

 

ベンヤミンが『複製技術時代の芸術』を著してから85年、複製技術が進歩しまくった現代において、過去のアート作品の鑑賞は全部この方式でいいんじゃないかと思いました。

 

というわけで、「巨大映像で迫る」はぜひまたやって欲しいです。イマーシブミュージアムは二度とやらんでください。

 

イマーシブミュージアム / Immersive Museum
日本橋三井ホール
2022年7月8日~10月29日
10:00~21:00
東京都中央区日本橋室町2-2-1 COREDO室町1 - 5F