恥とマスは掻き捨てナマステ

ヨーグルトが好きです。アートと映画と音楽と野球は、もっと好きなようです。

★2022年ベスト映画10★

またしても今年が終わります。今年って毎年終わるんですね。世界の真理に気づいてしまいました。

2022年は、27本の映画を劇場で鑑賞しました。

30本を下回ったのは不徳の致すところというか、ジムに通い始めた影響が大きいのです。基本的には週6でジムに通ってます。筋肉と文化は共存できない、そんな脳筋の自分を実感できる一年になりました。

ちなみに2020年には珠玉の本格ミステリ映画『ナイブズ・アウト』を1位にしてるんですが、この年末には待望の続編が公開されました。

ところが、これネットフリックス限定なんですよね。これはこれで観ようと思ってるし、観たら絶対にベストの上位に入れたくなるだろうという予感。

しかし、私のベストは原則として劇場で観たものだけで構成してます。一時期のスピルバーグみたいに「ネトフリは映画じゃない!」などと頭の固いことを言いたわいけではなく、ずっとそういう風にしてきたのでそういう風にしてるってこと。

なので、おそらく面白いであろう『ナイブズ・アウト』の続編が今回のベストに出てこないのは、そういう事情によります。

なんやかんや言うておりますが、今年のベスト映画10本です。

 

 

★ベスト4~10★

 

鑑賞順に並べているだけで、これらは順不同。

クリント・イーストウッドの最新作『クライ・マッチョ』は、クリントの監督作品としてはひさしぶりに実話に基づかない作品でした。すげえ良い映画ってわけでもなく、いろいろ微妙ではあるんですが、クリントお爺さんがダンスを踊ってるだけで、もうええやろがい最高やろがって感じです。

 

『アンビュランス』はですね、はっきり言って駄作です。ベストに入れたのは、監督がマイケル・ベイだからです。この人、カメラをずっと動かしてますからね。しかも激しく。全く意味の無いカメラワークです。本人はかっこいいつもりなんでしょう。でもね、そういうあほなところが好きなんです。

 

ドクター・ストレンジは、マーベル映画でもサム・ライミ全開だったので安心しました。もっと映画を撮って欲しいです。

 

『シン・ウルトラマンは、実相寺アングルに頼りすぎなとこあって演出はいまいちなんだけど、日本の特撮映画ってことでベスト入り。

 

トップガン マーヴェリック』は、とにかくトム・クルーズに尽きます。彼のことは映画の王と呼んで良いでしょう。それか映画の変態。彼はどこまで映画に取り憑かれているんでしょうか。もちろんどの作品でも安全性を確保した上での撮影とは思いますが、映画の現場で死にたいと思ってるような、鬼気迫るものを感じるので彼の身が心配です。

 

『ソー:ラブ&サンダー』は、どうってことない普通のブロックバスター映画なんですが、ガンズ&ローゼズが大きくフィーチャーされてるので選びました。ガンズの曲が流れるだけで興奮して死にます。

 

『THE FIRST SLAM DUNKは、スラムダンクの映画として完璧でしょう。原作をリアルタイムで読んでた人間なので、最初の最初に湘北と山王が少しずつ描かれてきながら出てくるじゃないですか、あれで完全に頭がぶっ飛び、えもいわれぬ興奮を感じました。

 

★ベスト3★ アバター:ウェイ・オブ・ウォーター

もともとは3部作の構想があり(最近は5部作だ、いや7部作やろがい!とどんどん膨らんでるようですが)、いちばん最初の前作が13年前(2009年)でしたから、やっと続編が観られました。

押井守が褒めてるように、水の表現が凄すぎてイカれてますよね。個人的にはアバターというサーガに興味を持てないでいますが、物語やキャラクターなんかどうでもいいんですよ、観る者をねじ伏せるだけのパワーがこの映画の映像にはありました。

世界でいちばんお金の掛かってる映像表現であり、現時点における映像技術の極北であることは間違いないのですから、まさに映画館で観るべき映画でしょう。全人類必見。

 

★ベスト2★ ウエスト・サイド・ストーリー

なんで今さらスピルバーグがリメイク?とか思ってましたが、観てみたら今の時代に相応しい物語だと感動。永遠に語り継がれるであろう、まさにアメリカの神話です。

過去に何度もスピルバーグ作品をベスト1に選んでいる私なので、今年も途中まではこれに決めようと思ってましたが、次の作品が今年のベスト1です。

 

★ベスト1★ NOPE/ノープ

『ゲットアウト』で人類を感嘆させ、『アス』では良い意味でも悪い意味でも全人類の度肝を抜いてきたジョーダン・ピール監督。シャマランの正統な後継者として期待してきた監督さんなので、この最新作もめちゃくちゃ楽しみにしてました。

最新作『NOPE/ノープ』は、こちらの期待を大きく上回るほどに無類の出来映えで、文句なく今年のベスト1です。

3作目にして完全にシャマランを超えました。むしろシャマランって何?(シャマランはシャマランで今でも好きですよ)

ピールさんは、インタビューでも語ってるようにエヴァが好き。

本作は、山の尾根からラミエルを狙う、いわゆるヤシマ作戦を実写レベルに翻案したような場面設定が後半にあったり、使徒を彷彿とさせるごにょごにょが出てきたりと、エヴァオマージュも楽しむことができる逸品に仕上がっておりました。

もちろんピールといえば、社会的な問題をエンタテイメントに昇華するのが十八番なわけです。本作でも見世物として消費されるチンパンジーの「見る/見られる」を物語の補助線に使いつつ、人類と自然の「対立/共存」という壮大なテーマを描いてきて、ピールの射程がどえらいことになってきました。すべてが最高。

この映画を観てから、空にでっかい雲を見つけるとギョッとします。

 

 

来年は宮崎駿(!)、庵野秀明スピルバーグトム・クルーズだけでなく、サム・メンデスダーレン・アロノフスキーの新作も公開されます。充実した一年になりそうですね。

いっぱい鍛えて、いっぱい観よう!

 

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