恥とマスは掻き捨てナマステ

ヨーグルトが好きです。アートと映画と音楽と野球は、もっと好きなようです。

ダイナマンを見習え。


主人公の顔がミニラっぽい「エアベンダー」を観た。109シネマズ川崎の3Dで。
M・ナイト・シャマランといえば、「シックス・センス」は佳作であったが、「アンブレイカブル」以降は撮る映画のすべてがケッサクだらけという、誰もが認める素晴らしい映画監督である。ところがこの「エアベンダー」、あまりに駄作なので正直驚いた。
この映画が駄作な理由は、いろいろ挙げられそうだけど、ひとつの理由に搾るならば、悪役の物足りなさに尽きると思う。
たとえ主人公がミニラだったりクリリンだったりだろうとも、悪役・仇役がキングギドラフリーザのように魅力的であれば、物語っていうのは燦然と輝き出すものだ。
エアベンダー」で悪役側に立つのは火の国の面々なのだが、どうにもこうにも悪くて強くてヤバい感じが伝わってこない。いかにも俺たちは悪いヤツなんだぞ〜と、せめて派手で厳めしいコスチュームでも着てくれればよかったのにと思う。
なのでシャマランには「科学戦隊ダイナマン」を見習って欲しい。
なぜダイナマンなのか?
それは「エアベンダー」に出てくる火の国の親子関係が、ダイナマンのジャシンカ帝国のそれと似ているからだ。ジャシンカ帝国の帝王アトンとメギド王子。大事な後継ぎであるはずのメギド王子は、度重なる失敗のゆえに、帝王アトンから帝国を追放される。しかしメギド王子はいつかは返り咲いてやろう、そして帝王に仕返ししてやろうと、自らを研ぎ澄ましていく。そんなメギド王子の姿は、「エアベンダー」に出てくる火の国の王子と通じる。
なので、火の国の王子はメギド王子、火の国の国王は帝王アトン、あと国王の娘は王女キメラ、それぞれの格好を真似てくれれば派手さが増し、悪役っぷりも増すので、物語がグッと魅力的になると思う。

なお、この映画は元々3Dで作ったわけではないせいか、3D効果の薄いシーンが多すぎ。また、川崎はXpanD方式なのですが、やっぱりグラサンを通すと画面が暗すぎ。なので終盤、水の国と火の国が入り乱れて戦うあたりではすべてが暗すぎて、水と火の区別ができない。敵味方が混然としすぎてどっちがどっちか分からんしその戦闘どうでもいいわって気分にしかならない。技術的にできない問題なのかもしれんけど、もっと映像の明度を上げられないものだろうか。