恥とマスは掻き捨てナマステ

ヨーグルトが好きです。アートと映画と音楽と野球は、もっと好きなようです。

満島ひかりや深津絵里と知り合えるんなら出会い系やるっきゃないし。

「悪人」を観ました。豊洲で。

最近は親切な映画が非常に多くて、「カラフル」なんかでもそうだったけど、この「悪人」においても作品のテーゼは全部セリフで言ってくれます。人生とはどうあるべきかを懇々と解説。ありがたやありがたや。
深津絵里の最後のつぶやきを、原作はもはや冷めた心情の吐露として描いていたように思う。しかし映画において、彼女は未だ憑きもの落ちず、戸惑いの渦中にあり、ならばこそ情感をどうにか押しとどめたセリフとして、深津の口からは「悪人」の言葉が漏れる。このへんも親切ゆえなのかなと思った。
前半、影の美しくまとわりつく画が多く、地方に住む人々の閉塞感が切迫した画として見事に描かれている。しかしながら、灯台へ着いたあたりからは緊張感のない画が増えて間延びする。前半が良かっただけに、実に悲しく惜しい。