恥とマスは掻き捨てナマステ

ヨーグルトが好きです。アートと映画と音楽と野球は、もっと好きなようです。

いいちこ片手にみる映画ではなかった。

映画が始まるまでに小一時間ある。そういえば家の常備酒が切れそうだった。ららぽーと横浜に併設のイトーヨーカドーで、いいちこ一升の紙パックを買う。酒なんてものは酔えればいいんだ。でも4リッターの大五郎を買うほどには落ちぶれちゃいません。そんなカストリなプライドとのせめぎ合いで結局いいちこに落ち着く。半透明のビニール袋に覆われた安あがりなうぬぼれをぶら下げて映画館へ。

ぼくのエリ 200歳の少女』の監督トーマス・アルフレッドソン最新作、『裏切りのサーカス』をみた。ららぽーと横浜は東宝シネマズで。
蜂の巣箱が出てきたと思ってもそのカットでは蜂の姿は見えず、次のカットで蜂の飛び回る姿とついに出会うことができたり。
のぞき見で出会ってしまった女と恋に落ちたり。
エレベーターで上へと運ばれる書類の運命は、のちほど明らかになったり。
すこぶる気高くて粋な映画なのだけれども、あろうことか、わたしの隣の席には買ったばかりのいいちこが鎮座している。
まちがいなく好みの映画なのだけれども、いかんせん気構えがなっていなかったため、続けざまの上品さに面食らうばかり。
儚げな女性が出てきたところで映画が踊り出し、下賤な趣味が働き出すも、この女性のシークエンスは映画のおまけにすぎず、やはり下町のナポレオンはサーカスで舞えないという結果。