恥とマスは掻き捨てナマステ

ヨーグルトが好きです。アートと映画と音楽と野球は、もっと好きなようです。

きみも蜷川実花になれるぞ、チームラボ ボーダレス。

お台場でやってるチームラボのやつに行きました。

正式名称は「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボ ボーダレス」。合併を繰り返す保険会社より長いネーミングです。
このイベントについて結論から言うと、お手軽に蜷川実花っぽい写真が撮れるアート空間でした。
になえ!
ニナガワ映え!

◇夜に行くのがおススメ

連日、チケットは売り切れ続出とのことなので、前もって予約。実際、わたしが行った日は当日券の販売がありませんでした。決して安いわけではないチケットが予約で完売ですから、人気沸騰中なことが良くわかります。
混雑が激しく、入場規制もあると聞いていたので、あさイチで乗り込もうと思ってました。しかし、サイトの説明によれば下記とのこと。

時期により変動いたしますが、OPEN直後は大変混雑致します。午後3時以降のご来場をオススメ致します。(状況により更新の可能性あり)

わたしが行った土曜は、夏の間だけ22時まで開いてるらしい。なので、体を夏にして、19時半過ぎに入るようにしました。
結果、とても快適なボーダレス体験を堪能。
結局、閉館までどっぷり楽しんじゃいました。
終わりぎわになると他の客もほとんどいなくなるので、ストレスレスです。とにかく夜に行くのがオススメンスですよ。

◇リアルでRPGのダンジョンを攻めてる気分


中に入ると、内部はずっと薄暗くて、映像が壁面に投射されているし、鏡面になってる壁もあるので、自分がどこにいるのか把握しづらい構成。
行きどまりになってるところに部屋があったり、通路の途中に通り抜けられるすだれの仕切りがあったり。
RPGのダンジョンを探索してるような体験ができちゃいます。
そこかしこに多彩なギミックがあるので、ずっとこの空間に滞留して、さまよいつづけたくなる気持ち。
ブランディッシュポートピア連続殺人事件の地下迷路のような、たくらみに満ちた閉鎖的な空間の出てくるゲームが大好きなので、ダンジョンを攻略する感覚で満喫しました。

◇こんなギミックあんなギミック

▽呼応するランプの森

塔の上のラプンツェル』のアレなやつ。
人数制限がある作品なので、混み具合によっては外で待たされます。しかし、待っている間も中の様子が見えるので、退屈しません。
中に入ると外からは透過して見えてたガラスがマジックミラーであることが分かります。なので、空間が合わせ鏡となるため、ランプが無限に増殖します。
人の数や移動によってランプの色が変化するらしいんですが、わたしが行ったときは、ずっと読売ジャイアンツカラーのオレンジなままでした。
▽無限の透明

平行して並べてある無数の透明パネルに投射された映像がうごめく作品。
最初に訪れたときは動物たちがモッサリ動いてる映像だったので、フーンって感じでした。
時間をおいてから再び行ってみると、鳥獣戯画なお祭りパレードの連中が踊ってる時間帯になってて、音楽もワッショイワッショイ。
ボーダレスでは映像が絶えず館内を移動しており、それによって部屋の光景がガラリと変わります。なので、行ったことある部屋を幾度となく訪れるのも楽しみ方のひとつです。
▽光の彫刻空間

部屋の中に蒸気を発生させ、その蒸気に光の線を多方向から照射させることで、彫刻的なおもむきを浮かび上がらせる作品。
ふつうの彫刻といえば、石膏や木などを彫ることで何らかの形状を固定的に具現化させるものです。しかし、光の彫刻は、可動式の光線が空間を切り刻むことにより、ダイナミックな形状を動態的に顕在化させます。
蒸気がすごい部屋なので、あふれんばかりのモワモワで湿気ウゼーですが、いつまでも見ていたくなるギミックでした。
▽Black Waves

波が打ち寄せてくる映像が360度ぐるりの部屋。奥まったところにあるので見逃す人もいるかも。
部屋の中には、ヒューマンがダメになる的なクッションが置いてあって、みなさんグデタマーッとなってました。
東映ロゴマークが飛び出してくるのを、いつかいつかと待っていましたが、ついに出てきませんでした。
千住博の滝っぽいイメージだと思って見てたんですが、実際に大阪で千住とチームラボがコラボしてました。これも行ってみたい。
チームラボは、豊洲でもボーダレスと似たようなのやってて、同時多発的に色んなところでやりすぎ。
▽くぼみにある宇宙
通路の途中にあるくぼんだ部分に映像が集積し流動する作品。
ボーダレス体験という意味において、この見世物がいちばん良かったです。くぼみの中心あたりまで足を進めて、かならず味わってほしい。VRゴーグル無しで、映像世界に没入できます。平衡感覚が狂い、脳がグワングワンする合法トリップおすすめです。
上記以外でも、踏みつぶすとグシャァッと血肉まきちらして潰れる動物や、小人たちの進行をオブジェで邪魔して遊ぶ非人道的なギミックなど、何時間でも遊んでいられる時間泥棒なイベントでした。

◇注意点とか文句もろもろ

  • 壁をペタペタいろいろ触ってみよう。
  • 中は広く、アップダウンが多いため、なかなか疲れる。
  • スカートはいてる人は、フロアの鏡面でパンツ丸見せ痴女になる。
  • 階段の途中は、特に映像がないので現実に引き戻されて、気持ちがスーッと醒めやすい。
  • QRコード入場やアプリ連動などハイテクしてるくせに、なぜかアナログな整理券制度で入場させる部屋があって、ウンコ。
  • アプリ連動は、実際に機能してるのか、いまいち実感がなく、ウンチ。
  • コスプレ撮影みたいな目的で来てる輩どもが、場を占有してると正直邪魔。
  • 誰が撮っても同じような写真になることをインスタ映えというなら、この展示群はまさに最適。

◇余談として

体験中に大きな地震がありました
地震後、安全確認が取れるまで壁際に寄るよう指示されて、15分ほど待機。その間、館内の照明がつき、ボーダレス空間が白日の下にさらされました。

そのとき見たのは、味もそっけもない、実に殺風景な空間でした。さっきまで体験してたものがすべて幻影にすぎなかったということが真に迫ってきます。
この世の全てはまがいもの。
うつし世はゆめ、夜の夢こそまこと。
ニナガワは見かけ倒しのハッタリ。
そんな言葉たちを胸に刻んで、酷暑のサマーを心頭滅却しつつ、乗り切っていきまっしょい。