恥とマスは掻き捨てナマステ

ヨーグルトが好きです。アートと映画と音楽と野球は、もっと好きなようです。

No Jews were harmed in the making of this motion picture

シリアスマン」を観ました。ヒューマントラストシネマ渋谷で。
映画サービスデーの日ということもあって、客の入りはかなりのもの。隣りに座っている男性が激しいビートを奏でる鼻息メタルの持ち主だったので、フーン!フーン!スピー!フーン!の独奏を浴びながらの鑑賞となりました。レノン、世界は音楽に満ちあふれているよ。

ユダヤ人のフーン!大学教授がフーン!ひたすらひどい目にスピー!遭い続けていくフーン!と言うフーン!話。フーン!スピー!フーン!
映画を観てるときのコンビニ袋のガサガサロックやポップコーンのスメルパンクは強烈だけど鼻息メタルも過激すぎる。あの人たちは映画に恨みでもあるのか。とりあえず痩せろ! 俺たちの日常は戦場と常に隣り合わせだ。
映画は現代のヨブ記な物語だったんだけど、実際のところ主人公の大学教授はヨブほどにひどい目に遭うわけでもなく、いい年して働きもしない中年の弟が警察に厄介になるだとか息子がハッパやりまくりだとか妻が友人に浮気してるだとか韓国人に難癖つけられるだとかそんな程度のかわいい不幸に見舞われるばかり。
なので本人は深刻でも、観てるこっちはクスクス笑っていられるし、とはいえ大きな事件が起きるわけでもないため娯楽性にいまいち欠ける内容なのですが、最後の最後、いよいよやってきたであろう大きな災難の予感だけを見せつつ、本当の暗雲が立ちこめるところでスパッと終映。後味悪くて気持ちよかったです。
フーン! エンドテロップで「No Jews were harmed in the making of this motion picture」の断り書きが流れたところでニヤリそしてフーン!
人生の解答は駐車場に隠されている。このへんのくだりと歯医者のエピソードを思い出してみるに、たいへん小粋でオフビートな作品だったと思います。スピー!