恥とマスは掻き捨てナマステ

ヨーグルトが好きです。アートと映画と音楽と野球は、もっと好きなようです。

俺たち廃墟。


香川県にあるこんぴらさんへお参りに行った際、ついでに丸亀に立ち寄ってみた。
土曜だったと思うんだけど、商店街がシャッターシャッターシャッター、シャッター・ザ・デビル。パチンコ屋ですらシャッターだったのには驚いた。住んでいる人たちには大変申し訳ないことだけれども、街全体が廃墟としか思えませんでした。
丸亀の駅から程よく歩いたところに一寸島神社というお社があるのだけれど、写真でご覧の通り、参道が廃墟になっているという神社。

神さまもリーマンショックには勝てず、この御時世ではお神酒が大五郎なんだろうなと思う次第です。
そんなこんなで「サウダーヂ」を観ました。渋谷はユーロスペースで。

アロノフスキーの「レクイエム・フォー・ドリーム」を思い出しました。ひたすら下へ、下へ、下のほうへと下降していく感じ。ドラッグなんかも出てくるし。
ただ、「レクイエム・フォー・ドリーム」の物語は一度は上がる。主人公たちはドラッグの売却で儲けて、いい目を見る。そこから下がる。
一方、「サウダーヂ」はどうですか。上がることなんてない。下がりっぱなし。というか下がってすらいないのかな、なんでしょうね、この閉塞感。下手したら下がることも許されてない。俺たちって最初ッから詰んでるんじゃねえか、俺たちって終わってるんじゃねえか、終わってたんじゃねえか、という感覚。
宮台真司が出演してるので便乗すれば、「終わりなき日常」ではなく「終わりなき廃墟」。
ところで。「サウダーヂ」の掛かってる劇場ユーロスペースは、円山町のほうにあるので、渋谷駅のほうから、どういうルートで行くのがいちばんいいのかなっていつも迷うんです。道玄坂のほうから攻めていこうか、東急百貨店を横目にぐるりと回ろうか、渋谷平成女学園のあたりを突っ切ろうか、いろんなルートがあるんだよ。こうやってルートをいろいろと考えるのも戦争なんだなって思う。ノーベル文学賞を獲るんじゃないかと毎年騒がれてる小説家の受け売りっぽく。
で、渋谷の街を練り歩いてて思うんだけど、人が多すぎるわけで。おまえらどこから湧いてきたんだと。おまえら丸亀に帰れよと。おまえらが渋谷に来てしまったぶん、丸亀はシャッターが奢多なんだと。わたしの精神衛生上、人が多いのはホントよろしくない。

で、「サウダーヂ」なんだけど。点描画だなって思う。連ならない、そして繋がらない。点は点のまま放っておかれ、やがて朽ちる。光の扱い方がよかった。あと、おっぱいの安っぽい揉み方がとても生々しくてよかった。でも乳首は出てこないんだ。性行為も出てこなかった。だから日本は終わりだ。いずれ渋谷も丸亀のようになるのだろうか。なるようにしかならんのだ。と思わなきゃやってられんのだ。