恥とマスは掻き捨てナマステ

ヨーグルトが好きです。アートと映画と音楽と野球は、もっと好きなようです。

自然がにくにくしい。


マックス・エルンスト−フィギュア×スケープ」をみました。横浜美術館で。
樹木とは名ばかりの細長い直方体の物体がぎっしり並列している風景。
そんな状況を森と呼んでしまうエルンストの自然観。
エルンストの描く、無機的な自然の風景にふれると、こころがギュギュッと硬直して、とても落ち着きます。
野趣が爆発して、むせ返って胃がむかつくほどの匂いを放ちやがり、人間をおびやかし続ける自然の在りようなどは、エルンストの森にはなく。
ただひたすら人間の人工的な神経に寄り添ってくれる形式のみが、エルンストの森には広がりつづける。
これからの季節、草どもは繁茂し、花どもは咲き誇り、虫どもがわがもの顔でわが家を跋扈する。
自然の奴らが可憐な人間の精神を犯し続ける夏本番が今年も来てしまう。深刻に憂鬱。
自然なんてマジファッキン糞食らえ、エルンストの森に棲みたい、そんな願望を錯覚するのに桜木町という街の風景はすこぶる似つかわしい、そう感慨に浸りながら、にっくき自然めと、ジンギスカンとホルモンを憎々しく焼き殺して帰途につきました。