恥とマスは掻き捨てナマステ

ヨーグルトが好きです。アートと映画と音楽と野球は、もっと好きなようです。

エッシャー。

上野の森で絶賛開催中のエッシャー展に行ってきました。

★ミラクル エッシャー展 公式ホームページ
http://www.escher.jp/

当日券の半額800円で鑑賞できるという、かなりお得な「ミラクルサポーター特別チケット」を利用しました。
このチケット、開催が始まってから一週間程度の期間しか利用できないチケットなので、初週の土曜に行ったんですが、まぁ、とにかく混んでました。
朝から雨が降ってたので、空いてるかもと期待したけど、行ってみたら入場規制が掛かるレベル。
中に入っても、メッカの巡礼ぐらいに人間どもが回遊しており、ウネウネ動く人の群れは、まるでエッシャーの騙し絵のよう。酔いました。
この展覧会はかなり広報に力を入れてるらしく、欅坂の人にPRさせたり、永世竜王の人にメッセージ寄せてもらったりと、とりとめのない感じ。そういう効果もあってか、人がたくさん押し寄せ、客層は若い人たちが多かったように思います。あと、外国の方たちもよく目立っていて、欧米系の人たちを多く見かけました。
なお、あまりの混雑ぶりにギスギス感はハンパなかったです。
フンコロガシ版画のゾーンにおいて、通路途中で立ち止まっている日本人女性のことを邪魔に思ったのでしょう、外国人の妙齢の女性が眉間に皺を寄せるや否や、日大アメフトばりのタックルをかましてました。目の前1メートルで目撃したわたしもドン引きで心臓がギュン。
こういうのって、とにかく全方面において残念な出来事です。ジャンジャン人を呼べばいい、バリバリ人を入れればいい、そういう考えだけじゃまずいってことが、美術館のみならず、京都や渋谷における惨状を見るにつけ思います。
動員をがんばるのは素晴らしいことだからこそ、上野の森美術館という箱のキャパを考えた運営をして欲しいと思いました。
金曜だけでなく土日も夜20時まで開館するとか工夫してよ、と心の中でブーブー豚を飼っていたら、実際に土曜は時間が延長になったんですって。
最初からやってよ!
世の中の美術館は開館を昼過ぎにして夜遅くまでやってよ!
もっと普段からナイトなアートがエンジョイラッセラーできるといいなって思います。
展覧会自体は充実したラインナップで良かったです。
定番の錯視画はもちろんのこと、人物画や風景画(エッシャーによるグランドツアー!)などもあって、展示の流れに身を任せるままに愉しめました。

ところで、エッシャーの作品は版画ということを考えると、芸術作品としてのアウラもオナラもあまり関係ないように思います。
なので思い切って、巨大に印刷したパネルでもって展示しても良いんじゃね?と思いました。
代表作の『滝』なんて、ミュシャの『スラヴ叙事詩』ぐらいでっかくしたら、新たな感興が沸き起こるように思います。
日本の浮世絵版画なんぞも小さいので、チマチマ観なきゃいけないのが正直ちんちくりん。
小さい作品を大きくパネル化して展示しちゃうのってかなりアリだと思うので、ブリューゲルバベルの塔」展みたいな展示の仕掛けが増えるとうれしいです。
もしくは、そんなのすっ飛ばして、VRを利用したおうちでの鑑賞が当たり前になる時代が来ちゃうかもしれません。
果たしてそんなのが正当な美術鑑賞になるのかという議論はさておき、手軽で気軽な感じでアートに触れる機会が増えるといいように思います。