恥とマスは掻き捨てナマステ

ヨーグルトが好きです。アートと映画と音楽と野球は、もっと好きなようです。

ダークナイトを褒めている人は三丁目の夕日も褒めています。

ダークナイト ライジング』をみました。南町田は109シネマズのIMAXで。

ところで前作『ダークナイト』の何が素晴らしいかというと、ほんとすべてが素晴らしすぎて目を覆うばかりなのですが、とりわけ最後にバットマンの決断をゲイリー・オールドマンが事細かに口で説明して解説して言明するところに至り、その親切すぎる脚本に感銘を受ければ、そりゃ映画館を銃撃したくもなります。
ダークナイト ライジング』でも親切心は親を切り刻むほどに発揮されており、悪い奴がバットマンに「自分は、ああでこうでこうだから、こうしたいので、こうしちゃって、こうしちゃいます!」と分かりやすく噛み砕いて説明してくれるため、ありがたすぎて血の涙が流れてスクリーンが見えなくなっても大丈夫です。
ノーラン兄弟の厚かましいやさしさに触れることで、私たちは遠い昔の夏休み、遊びに行った田舎での夕飯どきの出来事が否応なしに思い出されます。親戚のおじさんおばさんどもが「子どもはいっぱい食べなきゃだめよ」と自分たちの食い残した料理をやたらこっちに押しつけてくるときに味わった、人情の無粋な厚かましさが懐かしすぎて、いまにも吐きそうなぐらい涙と胃液が出ます。
昔はよかった、過去はよかった、昭和はよかったと追憶はとどまることを知らず、説明的なセリフの多い脚本で有名な『ALWAYS三丁目の夕日』が好きな人は『ダークナイト ライジング』が極めておすすめです。セリフだけ聞いてればすべてわかるので、アイマスクを持って劇場へ。