恥とマスは掻き捨てナマステ

ヨーグルトが好きです。アートと映画と音楽と野球は、もっと好きなようです。

イーサンとかホークとかトレホとか。


★「クロッシング」を観た。原題は「Brooklyn's Finest」。新宿は武蔵野館で。ブルックリンかっこいい。
鏡が効果的に使われている映画。
冒頭、イーサン・ホークは金を得るために自動車の中で人を殺す。手前には自動車、後ろには逃げていくホークの姿。自動車のサイドミラーには死体の姿がはっきりと映し出されている。または。麻薬潜入捜査官のドン・チードルは囮捜査の最中、トイレで煩悶する。そのとき合わせ鏡によってチードルの姿が無限に映し出される。職務と男気に引き裂かれているチードルそのままに。そして。警官としての職務を定年までの日銭稼ぎとしか考えていないリチャード・ギア。ギアは最後、ある女性を救おうとして、男ともみ合いになり壁にぶつかり、姿見が割れる。このときギアは怠惰な警官として過ごしてきた自らの実像を破壊することに期せずして成功したのだ。というわけで映像の隅から隅までに目を凝らす必要があるだろう佳品でした。観てて目が疲れた。

★「デイブレイカー」を観た。豊洲で。
クロッシング」に続いてまたもやイーサン・ホーク
パク・チャヌク「渇き」のラストの光景からこの映画は始まる。美しき自死。映画たちはどっかでつながっている。そしてオープニング。人間味の一切感じられない映像が続く。美しい。バンパイアの栄える街はまさに夜の帝国。美しすぎる。さらにゲロだ首チョンパだ爆発だとゴアゴア。この映画はもしかするともしかするぞと思ったのも束の間、人間が頻繁に出てくるようになったら一気につまらなくなった。びっくりするほどに。残念。
帰ってから藤子・F・不二雄の「流血鬼」を読み返した。

★「マチェーテ」を観た。豊洲で。
暴力とエロスのごった煮でおもしろくないわけないんだけど、なんか乗れない。ロドリゲスは色気の描写が徹底的に下手なんだと思った。渋谷はシアターNで「ビッチスラップ」と2本立てとかで観られたら丁度いいぐらいの映画。