恥とマスは掻き捨てナマステ

ヨーグルトが好きです。アートと映画と音楽と野球は、もっと好きなようです。

これからの「正義」の在りかを決めようじゃないか。


「4デイズ」を観ました。TOHOシネマズ川崎で。ブルーレイ上映。
まさにアメリカ映画でした。輝かしきアメリカの映画。
おお、アメリカ。うるわしのアメリカ。アメリカ、アメリカよ。主は汝に恩寵を与えたもう。自由の地は偉大なる暴力によって開拓された。自由を得るためならば星条旗が幾たび血に塗れようとも構わない。US(われわれ)の正義の足跡は必ずや US(われわれ)の血によって贖われるのだ。
拷問に次ぐ拷問。何よりも法を尊重し、道徳を重視するFBI捜査官は、やがて暴力を誰よりも切望してしまう。
21世紀の現代において、敵は外部にあらず。われわれの内部にしかいない。内部分裂は繰り返されるばかり。敵は等比級数的に増加する。テロリスト、すなわち恐怖は外来より襲来する存在ではない。わたしたちの日常より出来するものなのだ。核爆弾を設置したテロリストのあらん限りの叫びは、わたしたちが心の底より希求して止まない世界の代弁であらんことを。
「世界侵略: ロサンゼルス決戦」は古い想像力で拵えられた物語に過ぎなかったが、「4デイズ」は現実の想像力によって結ばれた物語なのだ。
ノーランの「ダークナイト」が提示した正義と倫理の在り方を遥かに凌駕した恐るべき物語。いかんせん「ダークナイト」に比べれば観た人の数は桁外れに少ない。またしても正義は闇に埋もれていく運命。
映画で描かれなかったカウントダウン後の情景は、映画館を離れたわたしたちにいずれ降り注ぐ正義にちがいない。